今回は美山荘の口コミ・評判を調査しました。
美山荘が予約できない?
美山荘は、予約の取れない宿として有名です。
建物は大広間と囲炉裏型に設計されたカウンターを有する名栗の間のある母屋があり、宿泊は別棟に部屋が用意されています。
宿泊用の部屋は「山椒」「楓・岩つつじ」「すもも」「石楠花」など花の名前のついた部屋で、どの部屋も趣深く、穏やかで居心地の良い時間を過ごすことができます。
また、殴り出した栗の木を床に使用した名栗の間では、カウンター形式で食事をいただくスタイルになっています。
目の前で調理される美しい料理は、美山荘周辺で採った食材を使用して作られており、まさに旬の食材しか使用されないという贅沢な摘草料理です。
摘草料理は日本で数える程しか提供されていない貴重な料理のため、その希少性も魅力の1つと言えるでしょう。
このように美山荘はとても魅力的な宿ではあるのですが、殺到する予約の希望に対して、1日の最大宿泊数は5組までとなっています。
もちろん常に予約の受付は行われているのですが、それ以上に美山荘への宿泊を熱望する客が絶えず、宿泊できる部屋数が少ないために競争率が非常に高くなってしまっているのです。
また、冬季の美山荘周辺は、とても雪深くなります。
美山荘までの道中は非常に狭い山道です。
積雪や路面の凍結があると交通上の危険も伴うため、一時は12月〜3月までを休業期間としていたこともあるようです。
そのため年間を通しての営業期間が減ってしまっていたことも、予約のとりづらさの一因になっていたようです。
美山荘の予約方法やコツ
美山荘は電話でのみ、予約をとることができます。
予約の電話はつながるのですが、そもそも予約を取ろうとしたときにはすでに予約が埋まってしまっていて、希望の日付で予約をとることは非常に難しいとされています。
電話での予約しか予約方法がないのに予約をとることができない原因の1つは、リピーターが多いことにあるようです。
美山荘の宿泊客は、宿泊時に現地で直接次回の予約を取ることができます。
そのため、リピーターは新規客よりも次の宿泊予約をとりやすくなっています。
美山荘は新規での予約が難しく、リピーターが多いとされているのはこのような理由によるものです。
希望日での予約をとるのは非常に難しいとされる美山荘ですが、それでも宿泊を希望する場合は、宿泊日を限定せずキャンセル待ちで予約をとるのがおすすめです。
「連日キャンセル待ちの問い合わせをして予約に漕ぎ着けた」という口コミもあるため、粘り強く問い合わせを続けることで予約が取れるかもしれません。
このように宿泊の予約をとるのは難しい美山荘ですが、宿泊ではなく料理を楽しむだけならツアーを利用するという方法があります。
現地までの道のりが長く険しく、ゆっくりと宿泊できないのは残念ですが、美味しく美しい摘草料理には一見の価値があるので、ツアーでの来訪を検討するのも良いかもしれません。
そもそも美山荘とは
美山荘は、京都府京都市にある摘草料理が有名な旅館です。
素材の最も美味しい食べ方を熟知した料理長によって作られる摘草料理は、旬の野菜や魚、ジビエを使った美しく美味しい料理です。
この料理は立原正秋や白洲正子、司馬遼太郎など文化人にも愛されており、美山荘は書籍にもたびたび登場しています。
もともとは明治28年に僧侶のための宿として建てられた美山荘は、昭和12年より料理旅館という今の形へと増改築を行いました。
以降、訪れた客をその味で魅了し続けています。
美山荘の良い口コミ
美山荘は京都市内から車で1時間以上もかかる山奥の宿です。
道中の山道は、運転に慣れた人でもすれ違うのにヒヤヒヤするほどの狭さで、訪れるのに決して便利な場所とは言えません。
しかし人里から離れた山奥だからこそ、美山荘を取り巻く自然や建物の風情、日常から切り離されたような穏やかな時間などの特別な体験を得ることができます。
美山荘は2023年にミシュラン二つ星で掲載されました。
このミシュランの評価は、個別賞で若女将である中東佐知子さんのおもてなしに対するものでした。
中東佐知子さんのおもてなしは、控えめでありながらもあたたかさに満ち、誰もが心地よく感じるようなものだそうです。
ミシュラン受賞コメントでは「美山荘にとってのおもてなしとは人を思う気持ちに尽きる」と語っており、客人に寄り添い、日頃の疲れや思いを汲み取る若女将ならではの接客は、美山荘最大の魅力の1つといえます。
美山荘の魅力といえば、絶品の摘草料理を外すことはできません。
若女将である中東佐知子さんの夫、中東久人さんは、美山荘の代表取締役で料理長を務めています。
パリ大学卒業後に三ツ星レストランで修行、帰国して日本料理店で修行を重ね、26歳の時に美山荘4代目になりました。
そのため凝った料理を創作する技術は十分に備えていますが、華美な料理ではなく慎ましくも美しい丁寧な料理こそ摘草料理の魅力です。
美山荘の料理長・若女将は口を揃えて先代の教えである「気遣いすれど、おかまいなし」の言葉を大切にもてなしを行っています。
お客様へのアンテナを張っていながらも決して踏み込まない、ちょうど良い距離の体現された心地よいおもてなしを美山荘では味わうことができます。
美山荘はどんな人に向いている?
美山荘は、京都の歴史ある料理宿です。
かの有名な文豪たちにも愛された宿ですが、予約をとるのは非常に困難を極めます。
これは1日あたり宿泊できる部屋数の少なさや、
それでも美山荘での宿泊を熱望する人気の高さ、リピーターによる優先的な宿泊予約などによるもののようです。
しかし美山荘での滞在中は、日本の侘び寂びの美しさや、つつましくもあたたかなおもてなしを終始感じることができます。
日々慌ただしく過ごしている人にこそ、周りに温泉や観光スポットのない美山荘で、穏やかな時間を楽しむのがおすすめです。