今回は銀座の名店「銀巴里」について調査しました。
銀巴里の閉店理由とは
銀巴里の閉店理由は、主に『地価の高騰』が原因として考えられます。
経営者は自己資金を投じて長年経営していましたが、経済的に厳しくなり、1990年12月29日に閉店となりました。
銀巴里は1951年から1990年の約39年間経営をしていましたが、1950年代の銀座は高度経済成長期にあたり、その地価は急激に上昇しました。
しかも銀座は戦前から日本一であった為、地価は更に高騰してきました。
固定資産税や相続税などの負担は更に大きくなり、商店主や土地の所有者は高度利用の為にビルに建替えたり、大企業相手に土地を貸したりするなどしていました。
また、周辺の土地の所有者と共同建築のビルを建てる事で対策するほど、銀座の地価の高騰は土地の所有者を悩ませるほどでした。
そんな地価高騰の中、自己資金を投じて経営をするのも限界が来たのでしょう。
また『時代の流れ』もあります。
銀巴里が開店した当時は、高度経済成長期の真っ只中です。
当時はTVやメディアなどの媒体の普及率も高くありませんでした。
しかし時代は進化します。
レコードやカセットデッキの普及で、簡単に自宅でも音楽を楽しむことが出来るようになりました。
開店当時は、お洒落なカフェでシャンソンを聞く事は、人々の娯楽であると同時に一種のステイタスであるとも考えられました。
高度経済成長期は誰もが素晴らしい未来を想像し、日本全国民が一丸となり前に進んでいた時代です。
しかし、時代は徐々に変わり経済が発展すると共に、喫茶店で音楽を聞く事は少なくなり、どこでも簡単に音楽を聞く事が出来るようになりました。
となると、わざわざお金を払って音楽を聞きに行く必要もなくなります。
それは、売り上げを減らす事にも繋がります。
そして地価の高騰が重なり、閉店へと繋がったのでしょう。
そして、客層の変化も閉店理由として挙げられます。
常連のお客様も高齢となります。
以前の様に、気軽に足を運ぶことも出来なくなることでしょう。
地価の高騰・売上減少・客層の変化が重なり、銀巴里は閉店したと考えられます。
そもそも銀巴里とは
銀巴里とは、1951年から1990年まで東京銀座7丁目にあった日本初のシャンソン喫茶です。
東の銀巴里・西のラ・ベル・エポックとも言われた人気店でした。
美輪明宏さんを始めとした多くの有名人が出演しました。
そもそもシャンソンとはフランス語で歌を意味し、特定の歌を指すわけではありません。
現在のフランス語圏では歌全般を指しますが、日本においては1960年代までに流行したフランスの歌謡曲全般を指すことが多いです。
銀巴里の跡地はどうなった?
現在、銀巴里の跡地には『銀巴里跡』と書かれている石碑と『モンブラン銀座ビル』があります。
『銀巴里跡』と書かれている石碑は銀座7丁目の花椿通り沿いにあり、注意して見ないと見落としてしまうほど、ひっそりとあります。
また、モンブラン銀座ビルは地上10階・地下1階建ての商業ビルです。
2004年に竣工した『シャディ銀座ビル』をモンブラン社の専属デザイナーと日本の仲介デザイナーが協力し、改装しました。
ビルの外観は、全面に高級感あふれるガラスパネルで覆われ、全体的に黒系のモダンな印象を与える作りになっています。
1階から3階には『モンブラン銀座本店』があり、そこを中心に様々な店舗が入っています。
モンブランは1906年にドイツで創設された100年以上の歴史を持つ、老舗のブランドです。
アイテムには『カフス』や『バックル』・『サングラス』・『メガネフレーム』・『メガネ』などがあり、数多くの芸能人や有名人が愛用していることでも有名です。
銀巴里の近くのおすすめのシャンソン喫茶は?
銀座ボンボン
銀巴里の近くのおすすめのシャンソン喫茶の1つに『銀座ボンボン』があります。
2007年に銀座4丁目にオープンしたシャンソンバーで銀巴里でも活躍した、シャンソン歌手の福浦光洋氏と珠木美甫氏がオーナーを務めるお店です。
名前の由来はフランスのお菓子ボンボンと素敵・いいわ!のボンとかけてボンボンとしているとの事です。
お洒落でくつろげて、音楽を楽しめる美味しいお店という思いが込められています。
店内はアットホームでアンティークな雰囲気が特徴で連日シャンソンやミュージカル歌手のステージを楽しめる事で有名です。
恒例となった昼下がりライブや、誰でもシャンソン歌手になれるお客様のステージを企画したり、お店を貸切るなどのサービスを提供してお客様を喜ばせています。
最寄り駅は東京メトロ日比谷線・東銀座駅から徒歩3分・東京メトロ銀座線・銀座駅から徒歩5分と駅からも近いので交通の便も非常に良いです。
蛙たち
もう1つは『蛙たち』です。
銀座コリドー街にオープンしてから約50年の老舗シャンソニエです。
銀巴里が閉店したので、今現在では日本で一番古いシャンソニエとも言われています。
歌手との距離も近く、間近でプロのシャンソンショーを楽しむことが出来る上に、ライブの合間には歌手が席まで来て会話を楽しむ事が出来ます。