今回は映画「バグダッド・カフェ」について調査しました。
バグダッド・カフェが「つまらない」との声はなぜ?
バグダッド・カフェは、映画好きの中でも名作とされる有名な映画の1つです。
しかしその一方でこの映画に対して、つまらないという声もあります。
ここではバグダッド・カフェにつまらないと言う声が上がる理由についてまとめます。
前半の盛り上がりが少ない
バグダッド・カフェには、シリアスなシーンと思わずクスッと笑ってしまうようなユーモアなシーンがあります。
ほとんどの映画では、作品のつかみとして観客の興味を引くような迫力ある演出や、ユーモアな演出や心を惹きつけるような楽しいシーンから物語が始まることが多いです。
しかしバクダット・カフェは、この構成とは逆で冒頭から主人公となる2人の女性(ジャスミンとブレンダ)がそれぞれの夫と喧嘩をするというシリアスなシーンから始まります。
実は各所にシュールな笑いを誘う要素はあるのですが、初めてバグダッド・カフェを観た観客には前半のそのようなシーンでは、笑いへと繋がらないのかもしれません。
またその後も観客がドキドキするような、スリル溢れる刺激的な展開はなかなかないのです。
そのためこの映画は、前半でつまらないという印象を持つ人が少なくありません。
刺激的な展開ではない
この映画には悪役が登場しません。
映画の見どころは見た目や境遇、性格のまったく異なる2人の女性、ジャスミンとブレンダが出会ったことによって様々な変化が生まれていくことです。
ジャスミンとブレンダ自身の心境の変化はもちろん、砂漠の辺境の地にあるバグダッド・カフェの変化、ジャスミンの服装の変化などあらゆるものが良い方向へと変わっていきます。
バグダッド・カフェはこれらが緩やかに変わっていく様子を楽しむ映画のため、展開の激しい変化はありません。
これも人によってバグダッド・カフェをつまらないと感じる原因になります。
そもそもバグダッド・カフェとは
バクダッド・カフェは、1987年に西ドイツで制作された繊細な色彩と美しい音楽でヒューマンドラマを描いた映画です。
バグダッド・カフェの劇中歌である「Calling You」は、アカデミー賞歌謡賞にもノミネートされたほか、その後も数々のアーティストにカバーされ、現在でも多くの人に愛されています。
バグダッド・カフェは、日本では1989年3月に渋谷のミニシアターで公開開始されました。
公開後は映画好きの間でじわじわと人気が広がり、公開期間は17週間にわたります。
人気を集めたバグダッド・カフェは、当時まだ認知度の低かったミニシアターブームの火付け役となりました。
バグダッド・カフェはなぜ人気なの?
公開以降、長く愛されている映画のバグダッド・カフェですが、この映画の根強い人気にはいくつもの理由があります。
バグダッド・カフェが人気である1つ目の理由は「有名俳優を起用せずとも見事にハマったキャスティング」です。
カフェの客として訪れる画家などの物語を引き立てるキャラクターの配役はもちろんですが、物語の主人公であるジャスミンとブレンダは、まさにハマり役といえます。
ジャスミンを演じた大柄な女性、マリアンネ・ゼーゲブレヒトの存在感はまさに主役として作品を輝かせ、ブレンダを演じたCCH・パウンダーの演技力は必見です。
2つ目の理由は「孤独な中年女性が自分の居場所を築く様子に共感できること」です。
ジャスミンはドイツからの旅行中に夫と喧嘩をし、荒廃したバグダット・カフェに辿り着きます。
そんなジャスミンが音楽や手品などをきっかけに周囲に受け入れられていき、自分の居場所を見つけ出していく様子に共感が集まるのです。
そしてバグダッド・カフェに欠かせない音楽ですが、まるで客の1人になったかのような世界観を味わえる主題歌「Calling You」は、人気の理由として欠かすことはできません。
このほかにも多くの魅力を持ったバグダッド・カフェは、長く映画好きに愛され続けているのです。
バグダッド・カフェはどんな人に向いている?
バグダッド・カフェは、1987年にドイツで制作された映画です。
この映画では中年のドイツ人女性ジャスミンと、バグダッド・カフェの女主人アメンダが出会ったことで、この2人だけでなく荒廃していた店にまで様々な変化が起こっていく様子が描かれています。
乾き切った砂漠の1部分に過ぎなかったバグダッド・カフェが人々のオアシスになるように、観客の心を幸せな気持ちにする。
バグダッド・カフェは日常に疲れた人にぜひ見てほしい、そんな映画です。